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デジタル広報:基礎とAI導入④写真選びから画像生成まで – 効率的なAI活用法

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目次

写真選びから画像生成まで活用できる!

「生徒の写真、どうやって選べばいい?」
「イラストが必要だけど、外注する余裕がない…」
「画像つきで発信したいけど、素材がない」

前回は、SNS運用におけるAI活用法を紹介しましたが、第4回となる今回は、教育現場における写真・画像編集の効率化と、画像生成AIの活用法について解説します。

写真選びから始める効率的な画像活用

写真は情報発信に欠かせない要素ですが、その選定や編集には意外と時間がかかるもの。

福岡県のK中学校では、行事の写真選びに毎回2時間以上かけていました。

広報担当Aさん

100枚以上の写真から10枚程度を選ぶのですが、どの写真を使うべきか迷ってしまって…

しかし、生成AIの力を借りることで、この作業が30分程度に短縮されたそう。そのコツは、写真選びの基準を明確にすること。

ChatGPTに以下のように指示することで、効率的な選定基準が得られます。

ChatGPTへの指示

運動会の写真選定基準を作成してください。以下の点を考慮して:
・個人情報やプライバシーへの配慮
・学校の教育活動としての適切性
・視覚的なインパクト
・保護者や地域の方々への訴求力

すると、すぐに下記のような回答がもらえました

ChatGPTからの回答

運動会の写真選定基準

1. 個人情報やプライバシーへの配慮

  • 生徒の顔が明確に写っている場合、事前に保護者の承諾を得たものを優先する。
  • 個人名や学年・クラスが特定できる情報(名札・ゼッケンなど)が写り込んでいる場合、加工・修正を行う。
  • SNSや学校HPに掲載する場合、不特定多数が閲覧できるため、集合写真や後ろ姿、遠景の写真を優先する。

2. 学校の教育活動としての適切性

  • 生徒が主体的に活動し、運動会の楽しさや努力が伝わる写真を選ぶ。
  • 公序良俗に反する行為や、意図せず誤解を招く可能性のある写真は使用しない。
  • 学校の方針や教育理念に合致した写真を選定する(例:協力・挑戦・フェアプレーの精神が伝わるもの)。

3. 視覚的なインパクト

  • 生徒の表情が生き生きとしており、運動会の臨場感や感動が伝わる写真を優先する。
  • 構図が良く、動きや躍動感が感じられる写真を選定する(例:ゴール直前のスプリント、バトンを渡す瞬間)。
  • 色彩や光のバランスが良く、明るくはっきりとした写真を採用する。

4. 保護者や地域の人々への訴求力

  • 児童・生徒だけでなく、先生や保護者が応援している様子が伝わる写真も含める
  • 地域とのつながりを意識し、地域の人々と交流している場面や、運動会の温かい雰囲気が伝わる写真を選ぶ
  • 来年度以降の運動会への期待感を高めるようなポジティブな雰囲気の写真を掲載する

選定後の確認プロセス

  • 学校関係者(先生・広報担当)で最終チェックを行い、適切な写真かどうかを再確認する
  • 掲載前に必要に応じて保護者の許可を再度確認する
  • 公開後、不適切な内容が指摘された場合は速やかに対応する

この基準に基づいて、安全かつ魅力的な運動会の写真を選定し、学校の活動を効果的に発信していきましょう!

このように具体的な基準を設けることで、写真選びの効率が大幅に向上しますよね!

画像生成AIの基本

画像生成AIには、おもにMidjourney(ミッドジャーニー)DALL-E2(ダリ2)、Stable Diffusion(ステイブル・ディフュージョン、リンク先はHugging Face)などがありますが、今回は教育現場での利用のしやすさを考慮し、DALL-Eを中心にご紹介します。

DALL-Eの特徴

  • ChatGPTと連携できる
  • 操作が比較的簡単
  • 生成された画像の権利関係が明確
  • 教育現場向けの適切な表現制御

画像生成の基本的な流れは、まずChatGPTで適切なプロンプト(指示文)を作成し、それをDALL-Eに入力します。

たとえば、学校行事のお知らせ用イラストを作る場合は、下記のように入力してみましょう。

ChatGPTへのプロンプト

以下の条件で、学校の文化祭のポスター用イラストの生成プロンプトを作成してください:

  • 明るく楽しい雰囲気
  • 音楽、美術、演劇などの要素を含む
  • 学校らしさを表現
  • 子どもたちの活気が伝わる
  • 抽象的な表現で個人の特定を避ける

教育現場での実践的な活用法

事例1:学校行事のお知らせ作成

東京都のL小学校では、行事のお知らせにかならずイラストを添えることにしました。

以前は既存のイラスト素材を使用していましたが、画像生成AIを活用することで、行事の内容に合わせたオリジナルイラストを手軽に作れるように。

とくに効果的だったのは、季節感と行事の特徴を組み合わせた表現です。

たとえば、「桜の下で実験器具を扱う生徒たち」といった、その学校ならではの情景を表現できるようになりました。

事例2:校内掲示物の刷新

神奈川県のM高校では、校内掲示物のデザインを画像生成AIで作成。

従来の「文字だけ」の掲示物から、視覚的に魅力的な掲示物へと変更することで、生徒の注目度が大幅にアップしました。

効果があったのは、進路指導室の掲示物で、「将来の夢を追いかける若者」をテーマにした抽象的なイラストを背景に使用することで、生徒の進路相談室への来室が増加したそうです。

安全で効果的な画像活用のポイント

プライバシーへの配慮

生徒の写真を使用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 個人が特定されない撮影アングル
  • 集合写真での配慮
  • 保護者の同意確認
  • SNSでの公開範囲設定

著作権とライセンス

生成AIで作成した画像の使用には、以下の確認が重要です。

  • 利用規約の確認
  • 商用利用の可否
  • 二次利用の範囲
  • クレジット表記の必要性

学校としての品位の維持

教育機関としての適切性を保つために、下記のような配慮を検討してください。

  • 教育的な配慮
  • 文化的な配慮
  • 地域性への配慮
  • 年齢に応じた表現

より魅力的な画像作成のテクニック

テクニック1:文章と画像の調和

お便りやSNS投稿では、文章と画像の調和が重要です。ChatGPTを使って、画像に合わせた文章の調整や、文章に合わせた画像生成のプロンプトを作成できます。

テクニック2:シリーズ性の活用

定期的な情報発信では、一貫したデザインテイストが効果的です。画像生成AIで作成する際も、統一感のあるスタイルを指定することで、学校らしさを表現できます。

テクニック3:季節感の表現

日本の学校生活では、季節感が重要な要素です。画像生成AIを使う際も、その時々の季節を意識したプロンプトを作成することで、より親しみやすい画像が生成できます。

トラブルを防ぐためのチェックポイント

画像を公開する前の確認事項


・個人情報の有無
・著作権の確認
・学校としての適切性
・技術的な品質
・文化的な配慮

Globaledu 佐藤

とくに注意が必要なのは、生成AIで作成した画像に意図しない要素が含まれていないかという点です

公開前に複数の目でチェックすることをお勧めします。

今日からできること

まずは以下の手順で、画像活用を始めてみましょう。

  • 既存の写真の整理と選定基準の作成
  • 簡単なイラスト生成の試行
  • 学校独自のスタイル確立

ひとつ一つのステップを確実に進めることで、効果的な画像活用が実現できます。焦らず、できることから始めていきましょう。

Globaledu 佐藤

次回『生成AIで作る!教育機関のブランドガイドライン』では、画像使用の基準から文章のトーンまで、包括的なガイドライン作成のノウハウをお伝えします!

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