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教育機関の広報:実践⑩効果的な施策を計画的に展開 – 年間計画立案ガイド

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目次

さまざまな施策を反映した年間計画を作成しよう

広報担当Aさん

広報活動の基本は理解できたけれど、これを年間計画にまとめるにはどうすればいいのだろう…

これまで20本の特集「広報の基礎知識」で、目標設定編から施策編・実践編と多様な活動について紹介してきました。

最終回となる本記事では、これまでご紹介してきた広報活動のさまざまな要素を、どのように年間計画としてまとめていくか、実践的な手順を説明します。

これは広報活動の集大成とも言える重要な業務といえますが、目的の設定から、具体的な施策の検討、スケジュール管理まで、現場ですぐに活用できるポイントを紹介します。

Globaledu 佐藤

本記事が、みなさんの計画的で効果的な広報活動の一助となれば幸いです

広報計画立案の基本的な考え方

年間計画の立案でよく見られるのが、「とりあえず去年と同じような計画でいいかな」といった惰性による計画づくりです。

しかし、効果的な広報活動を実現するには、まず「なぜその活動を行うのか」「誰に向けて発信するのか」という基本的な考え方を整理することが重要です。

目的とターゲットが明確になれば、おのずと必要な施策が見えてきます。また、限られた予算やリソースを、より効果的に配分することも可能になりますよね。

目的の明確化

広報計画の立案でもっとも重要なのは、目的の明確化です。

  • 認知度の向上
  • 志願者数の増加
  • ブランド価値の向上
  • 地域との関係強化

これらの目的に応じて、具体的な施策や予算配分が決まってきます。

ターゲットの設定

つぎに重要なのが、ターゲットの明確化です。

  • 受験生とその保護者
  • 在校生と保護者
  • 地域社会
  • 卒業生
  • 教育関係者

年間計画の立案手順

まずは現状を正確に把握し、そこから具体的な目標を設定します。その上で、目標達成のための施策を検討していきます。

現状を正確に把握する

  • 前年度の実績評価
  • 強み・弱みの分析
  • 環境変化の確認
  • 競合校の動向

具体的な数値目標を設定する

重要なのは、理想を追い求めすぎず、実現可能な計画を立てること。

  • 説明会参加者数
  • 資料請求数
  • Webサイトアクセス数
  • SNSフォロワー数
  • メディア掲載件数

前年度の実績や現在のリソースを踏まえながら、着実に実行できる計画を作っていきましょう。

目標達成のための具体的な施策を計画

  • 学校説明会の開催
  • Webサイトのリニューアル
  • SNSの活用強化
  • プレスリリースの配信
  • 広報誌の発行

年間スケジュールの組み立て

教育機関の広報年間スケジュールを組み立てていく際、①年間の主要イベント、②定期的な情報発信、③季節性への配慮といった3つのポイントを考慮する必要があります。

①年間の主要イベント

まずは、学校行事に合わせたスケジュールを明確化していきましょう。

  • 入試関連イベント
  • 学校行事
  • 部活動の大会
  • 地域連携活動
  • 同窓会イベント

②定期的な情報発信

そして、広報担当者はこれらの主要イベントを伝えていく立場にあります。継続的な情報発信のために、ツールごとにやるべき施策を決め、計画を立てていきましょう。

  • Webサイトの更新
  • SNSの投稿
  • メールマガジン配信
  • 広報誌発行
  • プレスリリース配信

③季節性への配慮

さらに、時期に応じた施策の展開を計画しましょう。

  • 春:新年度の取り組み
  • 夏:オープンスクール
  • 秋:入試関連情報
  • 冬:成果発表

予算計画の立案

広報予算の立案は、多くの広報担当者が頭を悩ませる課題です。とくに教育機関の場合、潤沢な予算があることは珍しく、効果的な配分が求められます。

重要なのは、「選択と集中」の考え方です。すべての施策に満遍なく予算を配分するのではなく、重点施策を明確にし、そこに適切な予算を配分します。

効果的な予算配分を検討

  • 印刷物制作費
  • Web関連費用
  • イベント運営費
  • 広告宣伝費
  • 人件費

同時に、必須項目の予算は確保しつつ、予期せぬ事態に備えた予備費も考慮する必要があります。

限られた予算の効果的な活用

  • 重点施策の選定
  • 必須項目の確保
  • 効果測定に基づく配分
  • 予備費の確保

実行体制の整備

計画を効果的に実行するには、適切な体制づくりが不可欠です。広報担当者ひとりで抱え込むのではなく、学校全体で協力して進める体制を構築することが重要です。

効率的な実施体制の構築

  • 統括責任者
  • 実務担当者
  • 協力教職員
  • 外部パートナー

具体的な役割分担、進捗管理の方法、課題発生時の対応手順など、基本的な運営のしくみを整えることで、計画の実効性が高まります。

進捗管理のしくみづくり

また、定期的な進捗確認の機会を設けることで、課題の早期発見と対応が可能になります。

  • マイルストーンの設定
  • 定期的な進捗確認
  • 課題への対応
  • 計画の調整

まとめ:成功のための3つのポイント

  1. 目的とターゲットの明確化
    何のために、誰に向けて発信するのかを明確にする
  2. 実現可能な計画立案
    リソースと優先順位を考慮した現実的な計画を立てる
  3. 柔軟な対応
    状況の変化に応じて、適切に計画を修正する

年間広報計画は、学校の広報活動の羅針盤となるものです。しっかりとした計画があれば、日々の活動にも自信を持って取り組むことができます。

Globaledu 佐藤

ただし、計画は完璧である必要はありません。状況の変化に応じて柔軟に修正していくことも重要です

まずは基本的な枠組みを作り、実践しながら改善を重ねていくことをお勧めします。

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