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デジタル広報:基礎とAI導入②ChatGPTで情報発信<プロンプトと文章チェック>
はじめてのAI活用、一緒に始めましょう
AIに仕事を任せても大丈夫?プロンプトって何?
前回は、教育機関のデジタル広報におけるAI活用の可能性についてお話ししました。
今回は、実際にChatGPTを使い始める方法から教育機関での具体的な活用方法までを、初心者の方にもわかりやすく説明していきます。
ChatGPTとは? AIアシスタントの基本を知ろう
ChatGPTは、人間との対話を通じてさまざまな支援をしてくれるAIです。
まるで「できる秘書」のように、あなたの指示に応じて文章を作成したり、アイデアを提案したり、質問に答えたりしてくれます
ChatGPTの特徴
- 人間のような自然な会話が可能
- 複雑な指示も理解できる
- 文脈を踏まえた対応ができる
教育機関の広報担当者にとって、ChatGPTは以下のような場面で力を発揮します。
- お便りやブログの文章作成
- SNSの投稿文作成
- 保護者向けのお知らせ文作成
- イベント告知の文章作成
- よくある質問への回答作成
始め方:アカウント作成から最初の会話まで
それでは、ChatGPTのアカウント作成から最初の会話まで、基本的な手順を分かりやすく解説していきましょう。
じつは、ChatGPTの始め方は想像以上に簡単です。パソコンでもスマートフォンでも利用でき、アカウント作成から最初の会話まで、10分程度で済みます
ChatGPTには、無料版と有料版がありますが、まずは無料版から始めて、活用頻度や必要性に応じてアップグレードを検討するのがおすすめです。
それでは、実際の手順を見ていきましょう。
①アカウントの作成
- ChatGPTのウェブサイト(chat.openai.com)にアクセス
- 「Sign up」をクリック
- メールアドレスを入力(組織のメールアドレスがおすすめ)
- パスワードを設定
- 電話番号認証を行う
②最初の会話を始めてみる
画面下部の入力欄に文章を入力し、Enterキーを押すだけで会話が始まります。
【実践】まずは簡単な質問から
こんにちは。教育機関の広報担当です。ChatGPTでどんなことができますか?
このような基本的な質問から始めることで、ChatGPTの反応や対話の仕方を理解できます。
プロンプトの基本 ~AIとの上手な対話方法~
プロンプトとは、ChatGPTに対する指示や質問のことです。より良い結果を得るために、以下のポイントを押さえましょう。
①具体的に指示する
- ×「お便りを書いて」
- ○「幼稚園の夏祭りのお便りを書いて。7月15日開催、雨天時は16日に延期。午後2時から5時まで。出し物は模擬店、盆踊り、花火です」
文章の特徴を指定する
- 「保護者向けに、やわらかい口調で書いてください」
- 「箇条書きで、重要なポイントをわかりやすく」
- 「300文字程度でまとめてください」
修正を依頼する
- 「もう少し具体的に書いてください」
- 「子どもの安全面について追加してください」
- 「もっと簡潔な表現に直してください」
実践!教育機関での活用例
ここでは、お便りやSNS投稿、学校紹介文など、教育現場でよく使う文章の作成例を、実際の入力文(プロンプト)とともにご紹介します。
これらの例を参考に、ご自身の状況に合わせてカスタマイズしていただければと思います。
運動会のお便りを作成してください。
以下の要素を含めてください:
- 10月5日(土)開催
- 予備日10月6日(日)
- 午前9時開始、午後1時終了予定
- お弁当持参
- 水筒持参
- 体操服着用
- 保護者の撮影可能
- コロナ対策として、マスク着用は任意
トーンは明るく、保護者が読みやすい文体でお願いします
文化祭の様子をInstagramに投稿したいです。
- 生徒たちが作った巨大壁画の写真
- 体育館いっぱいに広がる力作
- 制作時間は2週間
- テーマは「未来への希望」
- 全校生徒300人が参加
100文字程度で、温かみのある文章と、適切なハッシュタグを5つ程度つけてください
学校のホームページ用に、学校紹介文を作成してください。
- 創立50年の中学校
- 全校生徒数450名
- 特徴は少人数制授業
- ICT教育に力を入れている
- 部活動が盛ん(特に吹奏楽部が県大会優勝)
- 校訓は「誠実・努力・協調」
400文字程度で、教育方針や学校の雰囲気が伝わる文章をお願いします
作成した文章のチェックポイント
ChatGPTは優れたアシスタントですが、作成された文章はかならず人の目でチェックする必要があります。
とくに教育機関からの情報発信は、保護者や地域との信頼関係に関わる大切なもの。ここでは、作成された文章を実際に使用する前に、どのようなポイントに注意してチェックすべきか、具体的な観点をご紹介します。
小さな見落としが思わぬ誤解を招くことも。チェックリストを参考に、安全で正確な情報発信を心がけましょう
①事実確認
- 日時や場所は正しいか
- 持ち物や注意事項に漏れはないか
- 学校のルールと矛盾していないか
②表現のチェック
- 誤字脱字はないか
- 文体は適切か
- 専門用語は適切に使用されているか
③内容の過不足
- 必要な情報が全て含まれているか
- 不要な情報は含まれていないか
- 説明が不足している部分はないか
より効果的な活用のためのTips
じつは、ちょっとした工夫で、ChatGPTとの作業がグッとスムーズになります。日々の業務のなかで実践できる、時短のためのテクニックをを活用すれば、より少ない手間でより良い成果が得られるはずです。
テンプレートを作る
よく使うプロンプトは、テキストファイルに保存しておきましょう。
以下の要素を含めた[イベント名]のお知らせを作成してください
- 開催日:[日時]
- 場所:[場所]
- 持ち物:[持ち物リスト]
- 注意事項:[注意事項リスト]
- 文体:[対象]向け、[トーン]な表現
- 文字数:約[数字]文字
段階的な改善
一度で完璧な文章を求めるのではなく、段階的に改善していきましょう。
- まず基本的な文章を作成
- 具体的な指示で修正を依頼
- 文体や表現を調整
- 最終確認と微調整
定期的な見直し
作成した文章は定期的に見直し、必要に応じて更新しましょう。とくに、季節の変わり目や行事の前後では、内容の更新が必要になることがあります。
安全に使用するために
ChatGPTを教育機関として適切に使用するためには、個人情報の取り扱いや著作権への配慮は、見落としがちでありながら、とても大切なポイントです。
安心・安全にChatGPTを活用するための具体的なガイドラインをを押さえておけば、トラブルを避けながら効果的に活用できます。
個人情報の取り扱い
- 生徒や保護者の個人情報は入力しない
- 学校の機密情報は共有しない
- 具体的な名前は伏せ字やイニシャルに
著作権への配慮
- ChatGPTが生成した文章は、適切にチェック
- 他者の著作物との類似性に注意
- 必要に応じて引用元を明記
組織のガイドラインの確認
- 学校や教育委員会のAI使用ガイドラインを確認
- 不明な点は上司に相談
- 使用記録を適切に保管
ChatGPT:よくある質問と回答
今日からの実践ステップ
- ChatGPTのアカウントを作成する
- 簡単な質問で会話を始めてみる
- テンプレートを1つ作成してみる
これらの第一歩を踏み出すことで、AIを活用した効率的な情報発信への道が開けていきます。
第3回「学校・教室のSNS運用を効率化する生成AI活用法」では、投稿計画の立て方から、効果的な投稿文の作成まで、実践的なノウハウをお伝えしていきます