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教育機関の広報:施策④学校の信頼を守る – SNS時代の危機管理対応は万全に

\ 本特集の広報施策を自己評価・分析できる /
「うちの学校は大丈夫」は通用しない時代
SNSの普及により、学校での出来事は瞬時に拡散される時代となりました。

「うちの学校では大丈夫」と思っていても、予期せぬ事態はいつでも起こりえます
本記事では、実際の教育現場で役立つ危機管理広報の準備方法を紹介します。
スクールの現場で想定される危機
教育現場で起こりうる危機はじつにさまざまです。子どもたちの安全に関わる事故やいじめ問題、教職員の不適切な言動、さらには学校の運営に関する問題まで、幅広い事案があります。
たとえば、休み時間の些細なトラブルが保護者のSNSで拡散され、学校への不信感に発展するケースもあります。
また、スクールスタッフの何気ない発言が、文脈を離れてひとり歩きしてしまうこともあります。このような事態に備えて、想定される危機を具体的にリストアップし、対応策を考えておくことが重要です。
平時からの備え
「備えあれば憂いなし」という言葉のとおり、危機管理でもっとも重要なのは平時からの準備です。
①危機管理マニュアルの整備
マニュアルは、緊急時のバイブルとなります。ただし、分厚すぎて誰も読まないようなものでは意味がありません。実際に使える、簡潔で具体的なマニュアルを作成しましょう。
とくに重要なのは、「誰が」「何を」「いつまでに」行うのかを明確にすることです。また、定期的な更新と見直しも欠かせません。
社会環境の変化や新たなリスクに応じて、柔軟に内容を更新していく必要があります。
②広報体制の構築
いざというときに慌てないよう、あらかじめ役割分担を決めておくことが重要です。
校長を統括責任者とし、広報責任者、情報収集担当、SNS対応担当など、具体的な役割を決めておきましょう。
また、定期的な研修や訓練も欠かせません。
とくにメディア対応については、実践的なトレーニングを行うことをお勧めします。想定される質問への回答や、適切な情報開示の範囲について、事前に確認しておくことが大切です。
③情報発信の準備
緊急時に必要となる情報発信ツールは、すぐに使える状態で整備しておく必要があります。とくに緊急連絡網は、定期的に更新し、実際に機能するかテストしておくことが重要です。
プレスリリースの雛形やWebサイトの更新手順なども、誰でも使えるように整理しておきましょう。SNSについては、普段から適切な運用ルールを定め、スタッフ間で共有しておくことが大切です。
危機発生時の対応
実際に危機が発生した際は、迅速かつ適切な対応が求められます。時間の経過とともに必要な対応を説明します。
①初動対応(30分以内)
危機発生直後の30分は非常に重要です。この時間で、正確な情報収集と初期対応の方向性を決定する必要があります。
まずは事実確認を行い、対策本部を設置します。関係者への第一報も忘れずに行いましょう。
②基本方針の決定(2時間以内)
初期情報を整理し、対応方針を決定する段階です。
とくに情報開示の範囲については慎重に検討が必要です。必要以上の情報を出すことで混乱を招くことも、情報不足で不信感を生むことも避けなければなりません。
③情報発信(24時間以内)
方針が決まったら、速やかに情報発信を行います。
保護者への連絡、プレスリリース、Webサイトの更新など、さまざまなチャネルを通じて適切に情報を発信していきます。
効果的な情報発信のポイント
①メッセージの基本原則
情報発信では、「正確・迅速・誠実」が基本となります。
事実と異なる情報を発信すると、取り返しのつかない信頼低下を招きかねません。不確かな情報については、「現在確認中」と正直に伝えることが重要です。
②関係者ごとの対応
生徒・保護者、スクールスタッフ、地域社会など、それぞれに適した情報発信が必要です。相手の立場や不安に配慮した、きめ細かな対応を心がけましょう。
まとめ:今日からできる準備
危機管理広報の準備は、今日から始めることができます。



まずは、想定される危機をリストアップし、必要な対応を考えていきましょう
すべてを一度に整備する必要はありません。できることから少しずつ、着実に準備を進めていくことが大切です。
次回は、スクールの強みと価値を伝える「ブランディング戦略」について解説します。
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