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教育機関の広報:目標設定①広報の価値と効果を高める3つの要素

\ 本特集の広報施策を自己評価・分析できる /
教育機関における広報の価値

教育機関における広報活動の価値ってなんだろう…
日々、さまざまな業務に追われるなか、広報活動の意義について立ち止まって考える機会は多くはないと思いますが、本記事では2025年という立ち位置で、いまいちど「教育機関における広報の本質的価値」について考えてみたいと思います。



実際のところ、広報担当者が行なっている活動領域は、単なる情報発信や生徒募集の施策ではありませんよね
広報とは、それぞれの教育機関が持つ価値を、保護者や生徒、育児中のファミリー、地域、そして社会へと理解を促し、支持を得るためのコミュニケーション活動です。
2023年度の文部科学省の調査によると、全国の私立学校の約45%が定員割れを起こしており、少子化の歯止めが効かない日本ではその数は今後も増加していくことになります。
このような厳しい状況のなか、広報担当者の役割はますます重要になっています。
もちろん、これは広報担当者だけが背負うべき課題ではなく、教育のデジタル化やグローバル化による教育ニーズの多様化など、教育を取り巻く環境が大きく変化しているなかで、組織全体で取り組むべき重要な課題です。
環境の変化と広報活動の3つの重要な要素
弊社では数多くの教育機関の広報担当者の方々と歩んできた経験から、効果的な広報活動には3つの重要な要素があると考えています。
①教育理念と教育活動の可視化
教育機関が真摯に取り組んでいる日々の教育活動を、具体的な成果や事例として示すことは、教育機関の理念や特徴を明確に伝える最善の方法です。
あるスクールでは、探究学習の様子をSNSで定期的に発信したことで、入学希望者が半年後に40%増加した事例があります。この成功は、現場のスタッフと広報担当者が密に連携し、互いの強みを活かした結果でした。
②保護者や地域との継続的なコミュニケーション
広報活動の目的は、大きく「よりよい生徒を集める」「教育機関の価値を高める」ことに集約されると思います。
広報活動には成果の出やすい施策もあれば、地道な活動でときに成果や数字として現れにくく、孤独を感じる広報担当者の方もいるかもしれません。
非常に重要でありながらなかなか成果が見えにくい活動のひとつに、保護者・地域社会など多様なステークホルダーとの対話があります。



これらのコミュニケーションには直接的な成果が出にくいものもありますが、広報としての扉を常に開いておくことは、新しい可能性をもたらすきっかけとなります
実際、コミュニケーション力の高いスクールは、地域企業と連携したキャリア教育プログラムを実施したり、オープンスクールなどのイベントにも多くの入学を希望するファミリーを含む人々が訪れ、スクール自体もとてもいい評判を保っています。
③情報発信における危機管理対策
近年、SNSでの情報拡散やネット炎上のリスクが高まっており、どの教育機関でもこういったリスクとは無縁ではありません。しかし、日ごろから適切な情報発信と危機管理体制を構築しておくことで、広報上のリスクを乗り切ることができます。
これも広報担当者だけで解決できる問題ではないため、組織全体で取り組む体制を整えていく準備をしておくことが重要です。
効果的な広報活動を行おう
では、どのような広報活動が適切なのでしょうか。下記のような施策は、上記の3要素を満たすのに適切な活動の目安となります。
- 教育活動のデジタル発信強化(週3回のSNS更新など)
- 地域メディアとの関係構築(年間プレスリリース24件など)
- 保護者・地域住民向けのオープンスクール開催(年3回など)
今日から始める広報改革
みなさんの状況や環境はさまざまかと思いますが、いますぐに見直せるステップには以下のような3つのものがあります。
①現状分析の実施
- 過去3年間の募集状況の推移
- 競合スクールとの差別化ポイントの整理
- 主要ステークホルダーの特定
②情報発信基盤の整備
- Webサイトの内容更新
- SNSアカウントの開設・運用方針策定
- プレスリリース作成フォーマットの準備
③組織体制の構築
- 広報担当者の役割明確化
- 情報収集・発信のルール作り
- 教職員への広報研修実施
今後、教育機関の広報活動はますます重要性を増していきます。



それは単なる生徒募集のためではなく、それぞれの教育機関が持つ価値を社会に伝え、持続可能な発展を実現するための重要な活動です
日々の業務に追われ、ときに孤独を感じることもあるのが広報活動です。しかし、みなさんの取り組みはかならず実を結びます。一歩一歩、着実に進んでいきましょう。
そして、困ったときは、同じ立場の仲間や、私たち専門家に気軽にご相談ください。ともに歩んでいける仲間がいることを忘れないでください。
今回のまとめ
- 広報活動は組織で取り組む戦略的コミュニケーション
- 環境変化への対応は、ひとりで抱え込まず段階的に
- 小さな一歩からでも、かならず成果につながる
次回は、具体的な広報目標の設定方法について、みなさんの状況を想定しながら解説していきます。
本特集「教育機関の広報」シリーズで紹介しているさまざまな施策について、客観的に評価・分析できる分析シートを作成しました。無料で提供していますので、ぜひご活用ください。

