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教育機関の広報:実践⑥準備から事後フォローまで- メディア取材完全ガイド

\ 本特集の広報施策を自己評価・分析できる /
適切な対応で取材を絶好のPRの場に

突然の取材依頼に、どう対応すればいいのだろう…学校の魅力をうまく伝えられるだろうか…
広報担当者のみなさんから、このような不安の声を伺います。
しかし、取材は決して恐れることではありません。むしろ、学校の素晴らしい取り組みや生徒たちの活躍を社会に伝える、またとない機会なのです。



適切な準備と対応の手順さえ押さえておけば、取材を通じて学校の魅力を効果的に発信することができます
本記事では、現場ですぐに活用できる実践的なポイントを紹介していきます!
取材依頼の流れ
メディアからの取材依頼は、メール、SNS、電話などさまざまな形で届きます。最初の対応が、その後の展開を大きく左右しかねませんので、慎重かつ丁寧な対応を心がけましょう。
最初に確認しておくべき情報
まず、依頼を受けた際は、以下の情報をかならず確認します。
- メディアの種類(新聞、テレビ、Web等)
- 取材の目的と内容
- 掲載・放送予定時期
- 取材希望日時と所要時間
- 取材する記者の人数
- 撮影の有無と内容
とくに、取材意図と掲載時期は重要です。
たとえば、スクールの特色ある教育活動について取材したいという依頼であれば、その背景にある社会的な関心や、なぜ今このタイミングでの取材なのかを理解することで、より効果的な準備が可能になります。
内部での確認事項
また、内部での検討に必要な時間も考慮し、取材依頼への回答期限を確認しておくことも大切です。
「検討させていただきます」といったん返答し、学内での以下の調整を行うのが基本的な流れとなります。
- 取材内容の適切性
- スケジュールの調整
- 対応可能な教職員の確保
- 生徒の撮影が必要な場合の許可確認
取材当日までの準備
取材を効果的なものにするためには、「学校の良さを伝えたい」という思いだけでなく、具体的な準備と戦略が必要になります。
とくに重要なのは、取材テーマに関する資料の準備と、当日のスケジュール調整です。
記者が求める情報を的確に提供できるよう、基本データや過去の実績をまとめ、写真や図表なども用意できるといいですね。また、限られた取材時間を最大限に活用できるよう、詳細な時間配分も検討しましょう。
資料の準備
- 学校の概要
- 取材テーマに関連するデータ
- 写真や図表
- 関連する過去の実績
当日のスケジュール調整
時間を効率的に使うため、詳細なスケジュールを立てます。
- 学校案内
- インタビュー
- 撮影
- 資料提供
取材当日の対応
取材当日は、学校の魅力を最大限に伝えられる大切な機会です。しかし、緊張や不安から、準備していたことが上手く伝えられないということもあります。
じつは、取材対応でもっとも重要なのは「自然体」であることです。必要以上に構えず、普段のスクール生活や教育活動の様子を、ありのままに伝えることを心がけましょう。
子どもたちの生き生きとした表情や、スタッフの熱心な指導の様子など、日常のなかにある魅力的な場面を共有することで、より説得力のある取材となります。
ただし、スムーズな進行のためには、基本的な対応の流れとポイントを押さえておく必要があります。
インタビュー対応のポイント
- わかりやすい言葉での説明
- 具体的な事例の提示
- 数字やデータの活用
- エピソードの交え方
撮影対応での注意点
- 撮影可能範囲の明確化
- 生徒の個人情報保護
- 校内の安全確保
- 授業への影響への配慮
フォローアップ
取材は、記者が学校を後にした時点で終わりではありません。むしろ、その後のフォローアップこそが、取材を成功に導く重要な要素となります。
掲載・放送前の内容確認は、学校の情報を正確に伝えるための大切な機会です。事実関係や数値の確認はもちろん、写真のキャプションや個人情報の取り扱いなども、ていねいにチェックする必要があります。



この際、些細な修正でも遠慮せずに伝えることが、よりよい記事づくりにつながります
また、掲載・放送後の対応も重要です。内容を記録として保存し、関係者へ報告するとともに、記者へのお礼状送付も忘れずに。
この一連のプロセスを丁寧に行うことで、メディアとの良好な関係が築け、次回の取材につながっていきます。
危機管理の視点
取材対応において、危機管理の視点は常に意識しておくべき重要な要素です。通常の教育活動や学校の取り組みに関する取材であっても、予期せぬ質問や話題の展開により、センシティブな内容に触れる可能性があります。
とくに気をつけたいのは、子どもたちのプライバシーや個人情報に関する事項、スクールの運営方針に関わる微妙な話題、また競合校との比較に関する質問などです。
こうした場面に備え、想定問答を準備し、対応の基本方針を定めておくことが重要です。
ただし、過度に警戒しすぎると、かえって不自然な対応になってしまう可能性があります。基本的な準備をしたうえで、誠実に対応することを心がけましょう。
万が一の事態が発生した場合の対応手順についても、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。
想定される質問への準備
予想される質問とその回答を事前に準備します。
- 基本的な学校情報
- 現在の課題
- 今後の展望
- センシティブな話題への対応
トラブル対応
問題が発生した場合の対応手順を確認しておきます。
- 対応窓口の一本化
- 事実確認の方法
- 情報共有の範囲
- 対外的な説明方法
まとめ:効果的な取材対応のポイント
①事前準備の徹底
- 取材内容の把握
- 必要資料の準備
- スケジュール調整
- 関係者との情報共有
②当日の対応
- 誠実な態度
- わかりやすい説明
- 安全への配慮
- 時間管理
③事後フォロー
- 内容確認
- 記録の保存
- 関係者への報告
- 次回への活用
取材は、学校の魅力を社会に伝える貴重な機会です。この記事を参考に、効果的な取材対応を実践してください。
なお、重大な危機管理案件や専門的な対応が必要な場合は、かならず専門家に相談することをお勧めします。
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