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教育機関の広報:実践⑨活動の成果を適切に評価する – 広報効果測定ガイド

\ 本特集の広報施策を自己評価・分析できる /
無理なく実践できる効果測定をはじめよう

広報活動の効果って、どうやって測ればいいのだろう。数字だけでは測れない価値もあるのでは?
確かに、広報活動の効果を適切に測定し、評価することは簡単ではありません。



とくに教育機関の場合、数字だけでは測れない価値も多く、その評価には工夫が必要です
本記事では、広報効果の測定方法について、定量的な指標から定性的な評価まで、実践的なアプローチを紹介します。
特別な分析ツールは必要ありませんし、日々の活動のなかで無理なく実践できる効果測定の方法を、具体例を交えながら解説していきます。
なぜ効果測定が重要なのか
広報効果の測定には、おもに3つの目的があります。
- 活動の評価
実施した施策が本当に効果があったのか、期待通りの成果が得られたのかを確認します - 改善点の発見
どの部分に課題があるのか、何を改善すべきかを明らかにします - 次期計画への反映
測定結果をもとに、より効果的な施策を立案します
「感覚」や「印象」だけで広報活動を進めていくことは、危険です。効果測定を行うことで、実施した施策の成果を客観的に評価し、次の施策に活かすことができます。
また、限られた予算と人員で効果的な広報活動を行うためには、「何が効果があって、何が効果がなかったのか」を明確にする必要があります。効果測定は、その判断材料を提供してくれる重要なプロセスなのです。
さらに、広報予算の確保や、新しい施策の提案をする際にも、過去の効果測定データが強力な根拠となります。
効果測定の基本的な考え方
広報効果の測定には、大きく分けて「定量的評価」と「定性的評価」の2つのアプローチがあります。
①定量的評価(数値で測定できる指標)
- 説明会参加者数
- 資料請求数
- Webサイトアクセス数
- SNSフォロワー数
- メディア掲載件数
②定性的評価 (数値化が難しい要素)
- 学校のイメージ変化
- 保護者からの評価
- 地域からの信頼度
- 教職員の意識変化
- 生徒の満足度
説明会参加者数やWebサイトのアクセス数など、数字で測定できる指標は分かりやすい評価基準となります。いっぽうで、学校のイメージ変化や地域からの信頼度など、数値化が難しい要素も、広報活動の重要な成果です。
これら2つの視点をバランスよく組み合わせることで、広報活動の成果をより正確に、そして多角的に評価することができます。
具体的な測定方法
広報効果の測定は、使用するツールや媒体によって、適切な測定方法が異なります。たとえば、Webサイトならアクセス解析、SNSならエンゲージメント率、説明会なら参加者アンケートといった具合です。
広報ツール別の測定
◉Webサイト
- アクセス解析
- 滞在時間
- 人気ページ
- 導線分析
◉SNS
- フォロワー数推移
- エンゲージメント率
- リーチ数
- コメント内容分析
◉説明会・イベント
- 参加者数
- 満足度調査
- 個別相談件数
- 出願率との相関
それぞれの特性を理解し、適切な測定方法を選択することで、より正確な効果測定が可能になります。
また、アンケート調査を組み合わせることで、数値では見えない部分もカバーすることができます。
アンケート調査の活用
- 在校生・保護者調査
- 説明会参加者調査
- 入学時アンケート
- 教職員意識調査
効果的な測定のポイント
効果測定を実施する際、もっとも重要なのは「何のために測るのか」という目的意識です。
単に数値を追うだけでは、本質的な評価にはつながりません。広報目標との整合性を確認し、その達成度を適切に測定できる指標を選ぶことが重要です。
広報目標に沿った指標の設定
- 認知度向上
- 理解度深化
- 信頼関係構築
- 行動喚起
また、一時的な測定では意味がありません。継続的な測定によって初めて、傾向や変化が見えてきます。
定期的な測定と比較分析
- 月次データの収集
- 前年比較
- トレンド分析
- 要因分析
そして、数値目標の達成度だけでなく、質的な変化や波及効果なども含めた複合的な評価を行うことで、より深い洞察が得られます。
多角的な視点での評価
- 数値目標の達成度
- 質的な変化
- 費用対効果
- 波及効果
測定結果の活用法
効果測定では、数値の増減を確認するだけでなく、その背景にある要因を分析し、具体的な改善策を導き出すことが重要です。
データの意味を読み解く
- 成功要因の特定
- 課題点の抽出
- 相関関係の分析
- 改善策の検討
また、測定結果は組織内で適切に共有することで、より大きな価値を生み出します。経営層への報告資料として活用したり、教職員との課題共有に使用したり、次期の広報計画立案の基礎資料としたり。
結果を組織で共有
- 経営層への報告
- 教職員との共有
- 次期計画への反映
- 予算要求への活用
測定結果の効果的な活用方法によって、広報活動全体の質を高めることができます。
まとめ:効果測定成功のポイント
- 適切な指標設定
目的に合った測定指標を選ぶ - 継続的な測定
定期的なデータ収集と分析を行う - バランスの取れた評価
定量・定性両面からの評価を心がける
効果測定の結果は、次の施策を考える上での貴重な資料となります。



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