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教育機関の広報:目標設定②3段階で効果的に実現する目標設定法

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目次

広報活動の成果が見えない理由

広報担当Aさん

広報活動を頑張っているのに、なかなか成果が見えない…

そんな悩みを抱える教育機関の広報担当者は少なくありません。

Globaledu 佐藤

じつは、この悩みの多くは、適切な目標設定ができていないことに起因しています

今回は、効果的な広報目標の設定方法について、具体的な事例とともに解説していきます。

なぜ目標設定が重要なのか

先日、あるスクールの広報担当者からこんなご相談を受けました。

「SNSでの情報発信や学校説明会の開催など、たくさんの施策を実施しているのですが、なかなか申込み数が増えません。何が足りないのでしょうか?」

話を聞いていくと、さまざまな活動を行っているものの、具体的な目標が設定されておらず、施策の効果測定もできていないことがわかりました。

広報活動の目標は、教育機関の理念に基づく価値を発信し、そこで学びたいと思う生徒・学生や保護者を増やしていくことで、教育機関そのものがさらに充実した学びの場として成長していくことです。

目標があるからこそ、日々の活動にも意味が生まれ、成果を測ることができます。

3段階で実現する効果的な目標設定

教育機関の広報目標は、以下の3つの期間的な指標を設けて、長期的なビジョンに向けて、年間単位、さらに3ヵ月単位で実現性のある目標を設定してみることをおすすめします。

①長期的なビジョン(3〜5年)

「地域に愛されるスクールにする」「グローバルに活躍する人材の育成」といった、教育理念に沿った大きな方向性で考えてみます。

②年間目標(1年)

長期ビジョンを実現するための具体的な数値目標を設定します。

たとえば、以下のような数値目標を考えてみます。

  • 申込者数:前年比40%
  • オープンスクールへの参加者:1回あたり30名以上
  • 資料請求数:月間20件以上

③四半期ごとのKPI(3ヵ月)

日々の活動の成果を測る具体的な指標です。

具体的な目標値は、下記のようなものが考えられるでしょう。

  • SNS投稿エンゲージメント率:15%以上
  • プレスリリース配信:月1回以上
  • 地域連携イベント:四半期に1回以上

成功事例:都内の英語スクールの場合

10年前に東京で開校したキッズ向け英語スクールは、目まぐるしく進化するSNSを活用した戦略的な広報活動がままならず、方向性に悩んでいました。そこで、まずは以下のような目標設定を行いました。

長期ビジョン:「地域に根ざし、世界に羽ばたくこどもを育てるスクール」

このビジョンのもと、具体的な数値目標を設定。

  • 生徒数を2倍にする
  • 校外生向け季節イベントへの参加者目標を合計50名とする
  • 地域と連携した英語のアクティビティを月1回実施する

その結果、2年目には

  • 生徒数は2.2倍
  • イベント参加者は合計80名を突破
  • 問い合わせ数は60%増

という成果をもたらすことができました。

実践!目標設定の4つのステップ

では、具体的にどのように目標を設定していけばいいのでしょうか?

Globaledu 佐藤

下記の4つのステップに沿って、まずは目標を設定してみましょう!

Step 1:現状を知る

まずは、過去3年間のデータを集めます。

  • 生徒数・問い合わせ数などの推移
  • 説明会参加者の動向
  • メディア掲載実績の有無

Step 2:目標を設定する

目標設定は、「SMART」というフレームワークを使って設定してみましょう。適切で明確な目標のための要素をもれなく検討することができます。

  • Specific(具体的):数値目標が明確
  • Measurable(測定可能):参加者数で測定可能
  • Achievable(達成可能):前年比20%は現実的
  • Relevant(関連性):募集活動に直結
  • Time-bound(期限付き):次年度という期限あり

例)「次年度のスクール説明会への参加者を、1回あたり平均30名(前年比20%増)にする」

Step 3:実行計画を立てる

目標達成のための具体的な施策を考えてみます。

例)説明会の参加者増加のために

  • SNSでの告知を強化
  • 在校生の保護者へのインタビュー動画の制作
  • 個別相談会も同時に開催

Step 4:定期的に検証する

月1回、進捗を確認する機会を設け、必要に応じて施策を見直します。

今日から使える!目標設定シート

以下のシートを活用して、さっそく目標設定をしてみてください。

目標設定シート

【長期ビジョン】

  • 目指すスクール像:
  • 達成時期:
  • 成功の定義:

【年間目標】

  • 生徒募集における目標:
  • ブランドにおける目標:
  • スクール全体の目標:

【3ヵ月ごとのKPI】

  • 重点施策:
  • 数値目標:
  • 実施事項:

まとめ:目標設定の3つのポイント

  1. 子どもたちへの思いをベースに
    数値目標は大切ですが、その先にいる子どもたちの成長や笑顔を常に意識しましょう
  2. 具体的な数値設定
    「認知度を上げる」ではなく「地域住民の認知度を80%にする」というように、具体的に設定します
  3. 柔軟な見直しを
    環境の変化に応じて、適切に目標を見直していきましょう

次回は、効果的な情報発信を行うための、学校関係者との適切な関係構築について解説していきますね!

本特集「教育機関の広報」シリーズで紹介しているさまざまな施策について、客観的に評価・分析できる分析シートを作成しました。無料で提供していますので、ぜひご活用ください。

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